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大洋印刷 企業広告

なんで印刷をやめられないのだろう。印刷は、些細なミスでも一大事になる。クライアントにこっぴどく叱られ、ほうぼうに謝り、デザイナーには呆れられる。「もっと安くしてよ」は日常で、「時代じゃない」とか「衰退産業」と揶揄される。もうほんとに散々だ。それでも、やめようと言い出す者は、ここにはいない。新しい事業ではなく、印刷で足搔く道をいつも選んでいく。新しいお客さんを掴むのは容易じゃない。何か特別な新技術があるわけでもない。それでも解決のアイデアは、決まって印刷だ。ついつい熱くなる会議の場は、食堂のカウンターや、喫煙所、廊下の隅や、駅までの道。「まずいよなあ」と話し始めたものの「フショク抜きのカス取りがさ」「角背はピシーッと」と仕立ての話になる。収まりきらず、居酒屋で朝まで印刷談義、なんてのもめずらしくない。困ったなあと言いながらも、どこか嬉しそうだ。ああ、ぼくらは印刷が好きなんだ。製本された本の、ふわっと毛羽立った表紙を撫でることが好きだ。スパッと裁ち落とされて整った小口をさするのが好きだ。ページをめくり、こんがりとした紙の匂いを嗅ぐのが好きだ。ぼくらは無性に印刷が好きだ。印刷をやめられないのは、たったそれだけのことだ。
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    大洋印刷株式会社

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